日本カーリング選手権2024準決勝

 札幌市どうぎんカーリングスタジアムで行われている日本カーリング選手権はいよいよ男女の準決勝。

 まず13時半から男子。予選2位のロコ・ソラーレ(ロコ・ドラーゴ)と3位のSC軽井沢クラブの対戦。中盤、若いロコ・ソラーレがリードしたが、8エンドにSC軽井沢が3点を奪い、逆転。9エンドも1点スチールして、3点差をつけ、10エンド。ロコに3得点の可能性が消えた時点でコンシード。大会3連覇をめざすSC軽井沢クラブが今大会全勝のコンサドーレの待つ決勝へ進出。

 

SC軽井沢   110020031×  
ロコソラーレ  002002100× 

(左からスキップ栁澤李空、サード山口剛史、セカンド山本遵、リード小泉聡)

 18時からは女子の準決勝。予選リーグでロコ・ソラーレを撃破したSC軽井沢クラブと中部電力の対戦。非常に緊迫した接戦となったが、特にSC軽井沢には素晴らしいショットが何度も飛び出し、中電はひたすら凌いで、勝機を見出そうとする展開。3-3の同点で迎えた7エンドに中電がチャンスを作るが、SCの上野美優の第一投がすごいトリプルテイクアウトとなり、一瞬にしてチャンスが消える。しかし、中電の北澤育恵も改めて絶妙のドローを決めて、再びNo.1を奪い返し、1点スチールに成功。リードを奪い、形勢が逆転しかかったかのようにも見えた。その後、1点ずつ取り合い、5-4で迎えた10エンド。有利な後攻のSCは一気に2点を取って逆転勝利につなげたいところ。一方、中電も1点スチールか、悪くても相手に1点を取らせて、エキストラで有利な後攻に持ち込もうとする。両チームとも持ち時間が少なくなり、緊迫した攻防が続き、ハウスの中心付近に両チームの石が溜まっていく。SCがNo.1を持った状態で迎えたスキップ上野美優のラストショット。2点目を取れる可能性はゼロではないが、最高難度のショットが必要。ミスをすると、相手の石をNo.1にしてしまうリスクもある。これは同点で延長だろうな、と思ったところで、上野の投じたドローを43歳の西室淳子が上野結生とともに全力スイープ。投げた上野とハウスで待つ金井亜翠香のラインコールも絶妙で、まさにチーム全体の力でピンポイントの位置まで持っていき、ほんのわずかに中電のNo.2よりハウスの中心近くに持ち込むことに成功。NHKの実況も解説も最初はナイストライではあるけれど、まさか成功はしないだろうという雰囲気だったが、ショットが決まった瞬間は大興奮。SCに2点が入って6-5で劇的すぎる逆転勝利。解説の市川美余さん曰く「カーリングの歴史に名を残すスーパーショット」。敗れた中部電力は悔しいだろうけれど、あの場面であのショットを決められたら、仕方がないか。

 こちらで上野のラストショットの動画が見られる。

 

www.nhk.jp

 自分たちで「私たちがニュースター」というSC軽井沢クラブ。試合中の弾ける笑顔も印象的で、確かに新たなスター誕生を印象づけた一戦だった。

 

 SC軽井沢 0020100102 
 中部電力  0101011010 

 

(左からスキップ上野美優、サード金井亜翠香、セカンド西室淳子、リード上野結生、リザーブ両川萌音)

 男子に続いて女子も2年連続で決勝に進出したSC軽井沢クラブは明日、初優勝と世界選手権日本代表の座を賭けて北海道銀行リラーズと対戦。