カーリング日本選手権2023

 カーリングの日本選手権が北海道北見市常呂町で1月29日から開催中である。男女それぞれ9チームが参加して総当たり戦の予選リーグが昨日まで行われた。

 最近は選手の移籍や若手の台頭などで、勢力図にも変化が現れつつあるが、女子は大会常連の富士急が選手の離脱による再建中で現在、活動休止中。フォルティウスも北海道地区予選に選手のコロナ感染で出場できず、本大会出場権を逃してしまった。

 連覇を狙うロコ・ソラーレが1月にはカナダで行われた世界の強豪チームだけが出場できるグランドスラムの大会で日本チームとして初優勝するなど、勢いに乗っており、そこに昨年準優勝の中部電力、昨年3位の北海道銀行など、若手チームがどこまで迫れるかが注目と言えた。

 男子は昨年優勝のSC軽井沢クラブが今年も中心だが、そこに昨年2位の札幌国際大学、2年ぶり出場のTM軽井沢、地区予選2位からワイルドカードで出場権をつかんだコンサドーレ、さらに北海道地区1位で最近、急激に力をつけている地元のKiT CC(北見協会)など、混戦模様が予想された。

 

 女子はロコ・ソラーレ北海道銀行とフィロシーク青森に敗れたものの、6勝2敗で予選1位。同じ6勝2敗の並んだ中部電力とフィロシーク青森がDSCの差で2位と3位。さらに初戦でロコに大敗したものの、徐々に調子を上げてきたSC軽井沢が4位で予選突破して、今日のプレーオフに進出。

 一方の男子は今年もSC軽井沢が7連勝と突っ走ったが、6勝1敗で追った北見協会が最終戦の直接対決でSCを破り、7勝1敗で並び、直接対決の結果で1位。2位がSC軽井沢。3位はコンサドーレ、4位がTM軽井沢。

 プレーオフは今日の午前中に男女とも1位と2位、3位と4位のチームが対戦。1・2位対決の勝者はそのまま明日の決勝へ進出。敗者は午後3時から3・4位対決の勝者と対戦し、勝った方が決勝進出というシステム。

SC軽井沢クラブ。左から栁澤李空、山口剛史、山本遵、小泉聡)

 男子の1・2位対決は北見協会が試合を優位に進めたが、1点を追うSCが最終エンドに9ー9の同点追いつき、延長11エンドで2点スチールして⒒-9で逆転勝ち。明日の決勝へ。北見協会は3・4位対決を制したコンサドーレを15時からの準決勝で7-1と破り、明日の決勝でSCと3度目の対戦へ。非常に楽しみな一戦。

(KiT Curling Club。左から平田洸介、臼井慎吾、目黒良太、三浦善也、相田晃輔)

 女子は1・2位対決でロコソラーレが中部電力に序盤リードを許しながら、後半逆転して7-4で勝利。3・4位対決はフィロシーク青森が昨日ロコソラーレを撃破した勢いそのままに今日も6エンドまで8-1と大量リード。準決勝はフィロシークと中部電力の対戦だと思い込んでいたのだが、なぜかSC軽井沢が出てきた。どうしたのかと思ったら、午前の試合で大量リードを許していた軽井沢が7エンドに3点を奪うと、8エンドには大量5点スチール、9エンドにも2点スチールで、11-9と大逆転勝利をあげていたのだった。

 そして、準決勝でも中部電力と大接戦を繰り広げ、最終的に7-6で勝利。男子に続いて女子もSC軽井沢が決勝に進出。

SC軽井沢クラブ。左から金井亜翠香、江並杏実、西室淳子、両川萌音、上野美優)

 SC軽井沢はベテランの西室淳子と若手選手が融合したチーム。昨年、世界ジュニア選手権優勝という快挙を成し遂げたSC軽井沢Jrの上野美優が新加入し、初戦はリザーブだったが、その後、リードで出場するようになり、その明るい雰囲気でチームのムードが変わったようだ。明日のロコソラーレとの決勝も好ゲームを期待したい。

 世間的にはロコ・ソラーレしか注目されていないカーリングだが、それだからこそロコ以外のチームが優勝してほしいと個人的には思っている。

 

(おまけ)オランウータンのホッピー