昨年のこの時季に高尾山で見たギンリョウソウの奇妙な姿などが心に浮かんで、もう何度も登った高尾山にまた出かけてきた。
高尾山口駅前を流れる案内川ではカジカガエルが鳴いている。姿を見たいと思ったが、見つけられず。
1号路を登り、3号路に入る。初夏の山ならではの鳥としてはキビタキやサンコウチョウ、ホトトギス、ヤブサメ、クロツグミなどの声を聞くが、オオルリの声は聞かなかった。先月の御岳山でもオオルリが少ない印象だったが、どうなんだろう。
尾根状の高尾山の南側の山腹を巻くように続く3号路は世界一登山者が多いという高尾山の中では比較的人が少なく、植物観察が楽しめるコースで、歩いているのは大抵は植物目当ての人のようだ。中高年の女性が多い。
イナモリソウ。3号路を歩く人はこんな小さな花にも目を留め、当たり前のように名前を知っていたりする。
人気のギンリョウソウ(銀竜草)はあちこちで見かけた。関心のある人は目ざとく見つけるが、関心のない人は気づかずに素通りしていく。
この一つ目の妖怪のような姿がなんとも可愛い。
葉緑素を持たず、光合成ができないため、地中の菌類から栄養分を得るという不思議な植物。ユウレイタケの別名があるが、キノコではない。
葉っぱを持たないムヨウラン(無葉蘭)。
以上は昨年、植物観察の人たちに教わった花だが、今回、教えてもらったのが、ウメガサソウ。
かなり高い場所にまとまって咲いていて、おばちゃんたちのスマホだとうまく撮れない。僕の安物デジカメで撮ったモニター画面を見せてあげると、次々とその画面を撮影し始めた。
頭上にカケス。
キビタキを見たという証拠写真。オオルリの声は聞こえなかったが、キビタキは麓から山頂まで山の全域でさえずっている。
この道を歩くと、ヤブサメの声もよく聞く。ヤブサメのシシシシシシ・・・という声は高周波で70歳以上には聞こえないなどと図鑑に断定的に書いてあったりする。今はまだ聞こえるが、本当に70歳になると聞こえなくなるのかどうか。もともと姿を滅多に見せない鳥なので、さえずっているけど聞こえないのか、いないから聞こえないのか、区別できないが、毎年初夏の山歩きが聴力検査の代わりになるのだろう。
そういえば、アオバトも遠くで鳴いていた。
とりあえず、ギンリョウソウが見られて満足。