目赤不動尊

 大聖山 東朝院 南谷寺 (天台宗) 文京区本駒込1-20-20

 〈御詠歌〉聖童の 夢から醒めるや 赤目より まばゆき不動の 五色曳きたり

 境内に入ると、正面が本堂、右側に不動堂があります。不動堂の前には六地蔵大日如来の石像、恵比寿像などが立っています。
 開山の万行律師は比叡山の南谷にて不動明王を熱心に尊信していたところ、夢枕に1人の聖童が現われ、「伊賀国の赤目山に来たれ」と告げたので、お告げに従い、赤目山に登ると、黄金の不動明王像を授けられたと言われています。目赤不動は当初は赤目不動だったわけです。
 やがて、江戸に下った万行は1615年に下駒込の地にお堂を建て、尊像を奉安しました。それが南谷寺の始まりです。お堂があった場所は先ほど通ってきた動坂で、当時は不動坂と呼ばれていたそうです。
 その後、徳川家光によって赤目不動は目赤不動に改められ、五色不動のひとつとなり、万行が新たに拝領した土地が現在、南谷寺がある場所だということです。現在、ご本尊の不動明王像は秘仏として、お前立ち不動明王像(常時拝観可)の胎内に納められており、酉年の正月、5月、9月の各28日(1月は元日も)に開帳されます。
 目赤不動尊は関東三十六不動霊場の第13番札所です。

 さて、最後は目白という地名・駅名の由来となった目白不動です。目赤不動をあとに本郷通りから不忍通りに入り、目白方面へひたすら走ります。下町はまったく平坦でしたが、さすがに山の手に来ると起伏が激しく、かなりアップダウンがあります。
 護国寺にも心惹かれつつ、門前を通過して、やがて目白通りにぶつかると、これを右折。学習院の手前で明治通りに入り、都電荒川線学習院下停留所のところを左折すると、すぐに目白不動尊に到着です。