七尾与史『山手線探偵〜まわる各駅停車と消えたチワワの謎』

山手線探偵 まわる各駅停車と消えたチワワの謎 (ポプラ文庫)

山手線探偵 まわる各駅停車と消えたチワワの謎 (ポプラ文庫)

 事務所の家賃を払えずにビルを追い出され東京都内をぐるぐる回る山手線車内を事務所がわりに使っている探偵の霧村(だから普通のお客と見分けがつかない)とランドセルを背負った小学5年生女子の助手シホ、そして自称ミステリー作家・三木の3人が山手線沿線の事件を解決していく。
 話が出来過ぎていて、不自然に感じる点がないではないが、まぁ、楽しめる。悲惨な事故の場面から始まるので、面白いというのは不謹慎ではあるけれど…。
 ストーリーの展開とともに、霧村が山手線に乗ってぐるぐる回り続ける本当の理由も明かされるが、探偵の霧村と助手のシホがどのような経緯で知り合ったのか、そのあたりの秘密は次回作に持ち越しのようで、どうやらシリーズ化されるらしい。