檜原村ツーリング(前篇)

 文化の日。昨日の雨もすっかり上がって、よい天気になった。
 ということで、サイクリングに出かける。
 8時20分に出発。狛江で多摩川に出て、先日、ウォーキングで通ったサイクリングロードを上流へ向かう。
 立川の中央線鉄橋付近で冠雪した富士山が見えた。
 見慣れない電車が通る。

 見慣れた電車も通る。

 睦橋でサイクリングロードから睦橋通り〜五日市街道に入り、11時前に武蔵五日市駅を過ぎ、檜原街道に入る。
 去年の秋は秋川の支流の養沢川流域にある鍾乳洞めぐりなどしたのだが、今日は秋川渓谷の本流沿いを奥地へ進む。
 檜原街道の旧道(ほとんど廃道?)。なにやら動物のフンが落ちていた。サルか?

 檜原村に入り、村役場のある本宿で、北秋川と南秋川の合流点にかかる橋を渡り、北秋川沿いを行き、とりあえず毎度おなじみの「払沢の滝」に立ち寄ることにした。
 自宅から58キロ走って駐車場に自転車を残し、遊歩道に入る。お昼が近いので、喫茶店で昼食。開け放った窓から沢音が聞こえてくる。紅葉の見ごろはもう少し先かな。


 スパゲティミートソースとコーヒーを注文。


 ウッドチップが敷き詰められた歩道を10分ほど歩くと、払沢の滝。「日本の滝百選」にも選ばれた名瀑で、全体は4段になり、落差は60メートルある。ヤマガラを見かけた。

 この滝はもう何度も訪れているが、すべて自転車である。

 遊歩道の途中にある郵便局の建物を使った木工品の店。

 お店の前からは彼方の山の中腹にかかる天狗滝が見える。


 きれいに色づいた木もある。

 さて、いま13時前で、まだ時間には余裕があるから神戸岩へでも行ってみようか、などと考えていたら、自転車をとめていた駐車場の奥にも舗装道路が続いているのが分かった。しかも、サイクリスト2名がちょうど下ってきて、「あんなにきれいに見えるとは思わなかった」などと言っているのが聞こえた。そんなに景色がいいのか。ちょっと登ってみようか。
 急坂なのは間違いないが、距離はそんなに長くないはず。よし行ってみよう。初めての道のほうが面白い。
 ということで、1車線の坂道を登り始める。最初から急な坂で、かなりきつい。自分の息遣いが自転車で坂を登る火野正平(@NHK「にっぽん縦断こころ旅」)と同じだな、と思う。でも、あの番組ではここまでの急坂はたぶん登らないだろう。
 いつまで続くのかな、と思っていたら、山の上へ続くガードレールが目に入った。
 マジすか?! あんなに登るの?!(写真は帰路に撮影)

 この道はヘアピンカーブして左上の道へ続く。

 ギアは最初から一番軽くしてある。平地だと空回りに近い感覚だが、ここではちょうどいい踏みごたえ。

 柿の実。サルが食べたのだろうか。

 だいぶ登ってきたが、一体いつまで続くのか。ガビチョウの声が聞こえた。

 ちょっと平坦になる。紅葉がきれい。

 上り下りの行楽の車もたまに通るが、徒歩の登山者も次々と下ってくる。いわゆる山ガールも多い。会うたびに一応「こんにちは」と挨拶する。挨拶できるぐらいだから、息も絶え絶えというわけでもない。
 道の両側が下り斜面となる。尾根上に出たようだ。

 北秋川と南秋川に挟まれた浅間尾根に向かっているはずだ。
 4キロほど登って、ようやく北側の眺望が開けた。
 あんな高いところにも点々と人家が見える。あそこで暮らす人たちも東京都民なのだ。

 小さな神社があった。大山祇(おおやまづみ)神社。


 そこから道は下りになる。また戻ってくるので、あまり嬉しくない。


 この先に蕎麦屋があるらしい。そういえば、前にテレビで檜原村だったか、奥多摩町だったかの山の上にある蕎麦屋を見たことがあるが、あれか。
 道はすぐに未舗装となる。

 まもなく蕎麦屋が現れた。こんな山奥に?!と驚くほど山奥だ。駐車場に車が数台とまっていて、それなりにお客さんはいるようだ。
 僕はさっきスパゲティを食べたばかりだが、話のタネに食べていってもいいかな、と思うが、それよりも何よりも、先ほどのサイクリストはどこの景色に感動したのかが分からない。それほどの絶景はなかったように思うのだが。
 登りつめた先では大パノラマが広がって、富士山が(たぶんもう逆光に霞んでいるだろうけれど)望めるのではないか、と想像していたのだが、そんな場所はどこにもなかった。せっかく苦労して登ってきたわりには、達成感がない。中途半端だ。この先、砂利道はどんどん北秋川方面へ下っていくようだ。
 ということで、また駐車場に自転車を残し、蕎麦屋の前にある「浅間嶺」の標識に従って、登山開始。この道は「甲州古道」というらしく、古くから武蔵と甲州を結ぶルートであったらしい。

 この地方の伝統的な古い兜造りが残る蕎麦屋の建物にも「お代官休息処跡」などと書いてある。
 とにかく、サイクリングのつもりがいきなり登山になってしまったのだが、まだ長くなりそうなので、続きはまた明日。