鎌倉七福神めぐり

 新春1月4日、友人たちと5名でウォーキングを兼ねて鎌倉七福神めぐりに出かける。
 小田急新百合ヶ丘駅のホームで待ち合わせ、快速急行で藤沢へ。
 江ノ電に乗り換え、当初は極楽寺駅まで行くつもりだったが、急遽予定を変更して1つ手前の稲村ケ崎駅下車。時刻は10時ごろ。稲村ケ崎から快晴の空の下、江ノ島と富士山を眺める。富士山は春霞みのような見え具合。

 稲村ケ崎から極楽寺駅極楽寺切通しを経て御霊神社へ。このあたりは僕にとっては歩きなれたおなじみのルート。


 御霊神社には七福神の福禄寿が祀られている。メンバー中1人が七福神めぐりの色紙を購入し、僕は持参の朱印帳御朱印をいただく。300円。あとの3人は色紙に七福神が集まったら写真撮らせてね、などと言っている。

 続いて、すぐ近くの長谷寺(浄土宗)へ。

 拝観料300円を払い、最初に朱印所に朱印帳を預け、番号札を受け取って、境内を散策。水仙や蝋梅のほか、梅や福寿草などがもう咲いていた。
 石段を登って観音堂で巨大な十一面観音を拝んだ後、その隣に祀られているはずの大黒天にお参りしようとしたが、見当たらない。いつのまにか引っ越していたのだった。

 教えられた場所で大黒様に手を合わせ、弁天窟もお参りして、朱印帳を受け取り、長谷寺をあとにする。
 次は北鎌倉にある浄智寺だ。
 大仏のある高徳院を素通りして、大仏裏からハイキングコースに入る。いきなり長い階段で山登り。
 日当たりがよい草地にもうオオイヌノフグリが青い小さな星のような花を咲かせていた。
 最初に一気に登って、あとはアップダウンの続くハイキングコース。1月とは思えない暖かさで、汗ばんでくる。もう上着は要らない。タオルで額の汗を拭きながら歩く。
 時折、眼下に鎌倉の町並みと遠く相模湾が見渡せる。上空をトビがゆったりと旋回し、シジュウカラエナガメジロ、ウグイス、ヒヨドリアオジなどの声が聞こえる。コゲラも木の幹を盛んにつついていた。

 やがて源氏山の葛原岡神社の前に出た。富士山が霞んで見えた。

 ここには鎌倉時代の公家・日野俊基の墓がある。鎌倉末期、後醍醐天皇の側近として倒幕計画に加わり、元弘の変で捕えられ、鎌倉幕府滅亡の前年、1332年にここ葛原岡の刑場で処刑された人物であり、明治20年天皇の忠臣・日野俊基を神として祀り創建されたのが葛原岡神社である。

 その神社では餅つきなどが行われていて、行列ができていたが、我々は素通りして、浄智寺へ向かう。予想外にハードな道ではあった。
 山を下ると鎌倉五山の第四位・浄智寺臨済宗)の脇に出た。拝観料は200円。

 僕は浄智寺は初めてだが、ここはよかった。
 曇華殿には阿弥陀・釈迦・弥勒と過去・現在・未来の仏さまが祀られているほか、その裏手の観音様も思わず見とれる仏像だった。こういう場所は大勢で来るより、一人で訪れたい。また来よう。


 崖をくりぬいたトンネルを抜け、境内の奥のやぐらに祀られた布袋尊を拝む。


 ここでも寺務所で御朱印をいただき、浄智寺をあとにする。
 ほどなく北鎌倉駅に近い人やクルマが行き交う街道の横須賀線踏切付近に出た。これで本日のウォーキングは名実ともに山場を越えたことになる。
 すでに12時半を過ぎているので、どこかでお昼にしようと話しながら、狭い歩道をゆっくり歩く人々を追い抜きつつ鎌倉方面へ進む。
 まもなく鎌倉野菜とスープカリーの店を見つけて、そこに入った。民家を改造した、いかにも鎌倉っぽい店。

 とりあえずビールというメンバーばかりなので、まずビール。それから鎌倉野菜のスープカリー
 鎌倉野菜というけど、鎌倉のどこに畑があるんだろう、などと言い合いながら、食べる。美味しかった。

 1時間以上休んで、再び歩き始める。
 次は鶴岡八幡宮だ。
 建長寺や円応寺の前を過ぎ、巨福呂坂を越え、鶴岡八幡宮へやってくると、これまでは思ったほどの混雑ではなかったが、さすがにここはすごい人出だった。露店もたくさん出ていて、いま食事をしたばかりなのに食欲をそそられたりする。
 八幡宮は大変な行列だったので、そちらへ向かって軽く手を合わせただけで、境内にある源氏池の旗上弁財天へ。ユリカモメがたくさんいた。




 こちらはさほど混雑しておらず、弁財天を拝んで、御朱印をいただき、早々に鶴岡八幡宮をあとに、次の毘沙門天の宝戒寺へ。
 宝戒寺は鎌倉幕府の執権・北条氏が滅亡した後、その霊を慰めるために、北条氏の屋敷跡に後醍醐天皇足利尊氏に命じて建てたさせた天台宗の寺。萩の寺としても有名だ。
 拝観料100円で、ここは本堂に上がって、仏様を間近で拝むことができる。本尊は地蔵菩薩


 お堂の中で御本尊や毘沙門天ほか、いろいろな仏像を拝んで、御朱印もいただき、外に出ると、いつのまにか梯子乗りの儀式が始まっていた。


 見物していた小さな女の子が「危ない、危ない!」と大きな声を上げたので、笑いが起きた。

 宝戒寺の次は寿老人の妙隆寺。千葉氏の屋敷跡に建てられたという日蓮宗の寺。ここはひっそりとしていた。

 筆跡にもいろいろありますね(笑)。

 最後はえびす様の本覚寺。「えびす」にはいろいろな漢字表記があるが、ここは夷の文字を使っている。七福神の中で唯一、日本古来の神様だそうだ。ここも日蓮宗で、本堂は改修工事中で、シートに覆われていた。



 これで七福神をめぐり終えた。ただ、友人の色紙にはもうひとつ御朱印のスペースが空いたままだ。「鎌倉江の島七福神」の名前の通り、江の島にある江島神社の弁財天も含まれているのだ。なので、コンプリートするためには江の島にも渡らねばならないのだ。しかも、あそこにも石段が待っている。なので、今日はもういいか、ということにする。
 鎌倉駅から通勤ラッシュ並みに混んだ江ノ電に乗り、海岸に出ると夕陽がいい感じだったので、江ノ島駅で下車し、海岸で夕陽を眺め、小田急で藤沢へ。

 まだ16時40分だが、藤沢駅の近くの海鮮居酒屋に入り、気がつくと21時10分だった。22時45分ごろ帰宅。
 歩数計の数字は23000歩余りだった。歩行距離は15キロほどか。