第156回天皇賞(秋)

 秋の天皇賞東京競馬場・芝2000メートルで行われ、出走18頭のうちG1馬が8頭という豪華なメンバーが集結。しかし、今週もまた台風の接近で、激しい雨が降り続く不良馬場でのレースとなってしまった。
 1番人気はあと3走、年内限りでの引退が発表された5冠馬キタサンブラック。前走・宝塚記念で9着に敗れて以来、4か月ぶりのレースで復活なるかどうか。2番人気はその宝塚を制したサトノクラウン。3番人気は昨年ドバイのG1を制し、前哨戦・毎日王冠も勝ったリアルスティール
 レースは予想通りロードヴァンドールが逃げる。いつも抜群のスタートを切るキタサンブラックは出遅れて後方からになったが、ほかの馬が馬場の悪い内側を避けて外目を走るなか、武騎手がキタサンブラックをあえて内側に入れる。
 泥飛沫が上がり、走りにくい極悪馬場で前半1000メートル通過が64秒台という超スローペースでレースは進み、3〜4コーナーにかかると、相変わらず外を回る馬群の中、内側の最短コースを回ったキタサンブラックがすんなりと上位に進出。最後の直線であっという間に先頭に立ち、他馬を引き離しながら、徐々に馬場のいい外へ出していく。サトノクラウンが逆に内に入って追いすがるが、キタサンブラックがクビ差で先着。勝ちタイムは普通より10秒ほど遅い2分8秒3。ほとんどの馬が実力を出し切れずに大きく遅れてゴールする中で、このレースを勝ったというのはキタサンブラックが本当に強いということを人々に印象づける結果となった。そして、好騎乗が光った武豊騎手の天皇賞14勝目というのもすごいね。
 キタサンブラックブラックタイド産駒の牡5歳。これでG1レース6勝目、天皇賞は春秋あわせて3勝目。

 1着 キタサンブラック(武)  2着 サトノクラウン  3着 レインボーライン
 4着 リアルスティール  5着 マカヒキ  6着 ソウルスターリング