第61回宝塚記念

 中央競馬の上半期を締めくくるグランプリ、宝塚記念阪神競馬場・芝2200メートルで行われ、ファン投票で選ばれた18頭が参戦。ファン投票1位のアーモンドアイこそ休養で回避したものの、レース史上最多となる8頭のG1馬が揃い、豪華な顔ぶれとなった。

 今年の古馬G1では高松宮記念大阪杯安田記念牝馬が1・2着を占め、牝馬優勢の傾向だが、そんななかで牡馬の大将格、サートゥルナーリア(4歳)が1番人気。2番人気は昨年の秋華賞馬で、大阪杯2着の4歳牝馬クロノジェネシス。3番人気がその大阪杯の勝ち馬でG1レース3勝の5歳牝馬ラッキーライラック

 レース前に突然の大雨が降り、馬場はやや重。発走時には雨は上がっていたが、特に馬場の内側の状態が悪くなったようで、これがレースにも影響した。

 そして、スタート。トーセンスーリヤが引っ張り、ワグネリアン、ダンビュライト、ペルシアンナイトなどが続き、ラッキーライラックは5番手。サートゥルナーリアは中団の内。クロノジェネシスはその少し前の外を進む。

 向こう正面で後方にいたキセキが徐々に順位を上げ、3コーナー過ぎからクロノジェネシスも早めに動いて、4コーナーではトーセンスーリヤにラッキーライラック、クロノジェネシス、キセキが並びかける。サートゥルナーリアも外に出して、追い込んでくる。そして、最後の直線、内のラッキーライラックはいつもの伸びがなく、道悪を得意とするクロノジェネシスがかわって先頭に立つと、そのまま後続をぶっちぎってゴールイン。またしても牝馬の優勝となった。6馬身差の2着にキセキが入り、さらに5馬身遅れて12番人気のモズベッロが3着。サートゥルナーリアは4着、ラッキーライラックは6着に敗れる。結果的には馬場状態が比較的良かった外目を通ってきた馬に利があったようだ。

 牝馬宝塚記念制覇は2年連続で、史上5頭目。もはや牝馬が勝っても、全然驚かなくなった。


宝塚記念2020 結果

 クロノジェネシス凱旋門賞など欧州G1を5勝したフランス産馬バゴの産駒の4歳牝馬。これで通算11戦6勝。G1は昨年の秋華賞に続く2勝目。

 それにしても、クロノジェネシスの痛快な勝ちっぷりは昨年の勝ち馬リスグラシューを思い出させた。リスグラシューはこの後、豪州G1、有馬記念を連勝して、年度代表馬になったが、クロノジェネシスの秋のレースも楽しみだ。ラッキーライラックやサートゥルナーリアの巻き返しにも期待したいし、これらの馬とアーモンドアイの対決、さらに牡牝とも無敗の二冠馬が誕生した強い3歳勢との対戦など、秋競馬も楽しみは多い。

 

1着クロノジェネシス(北村友) 2着キセキ 3着モズベッロ

4着サートゥルナーリア 5着メイショウテンゲン