久しぶりに山歩きがしたくなり、とりあえず、最も手近な高尾山へ行ってきた。
京王線の高尾山口駅に着いた時点で、すごい人の数。まぁ、これは覚悟していたことではある。
どのコースで登ろうか、と迷ったが、今回は初めての稲荷山コースを選択。高尾山の南側の尾根筋を行く道だ。
ケーブルカーの清滝駅のすぐ左脇に登り口があり、いきなり階段で尾根まで一気に登る。たいていの人はケーブルカーやリフトを利用するので、急に人が少なくなるが、それでもずっと人の姿を見ながらの登山。
少し登ると、小さな稲荷神社。旭稲荷というらしい。この社が稲荷山コースの名前の由来。
赤いニット帽をかぶったキツネ。顔が怖い。
尾根まで登ってしまえば、あとはなだらかな道。杉などの針葉樹が多く、風景としてはあまり面白みはない。道の両側にそびえる木々の太い根が地面に露出し、また一定方向に亀裂の入った砂岩や粘板岩らしき岩盤があちこちでむき出しになっているので、つまずかないように注意しながら歩く。
野鳥はヒヨドリ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カケスなどの声がするぐらい。
全体としては登山というよりは山歩きといった気分で行くと、やがて、ちょっと開けた展望所に出た。たくさんの人が休憩している。暑くなったので、ここで上着を脱ぐ。
八王子市街から都心方面の眺望が開け、スカイツリーも見える。
(スカイツリー。手前は新宿の高層ビル群。東京都庁も見える)
また、遠くにうっすらと筑波山も望まれた。
少し休んだだけで、すぐにまた歩き出す。
ずっと尾根筋の道で、随所に階段があったり、木道が整備されていたりで、歩きやすいが、昨日の雨でぬかるんでいる部分も増えてきた。ぐちゃぐちゃになった場所を避けつつ歩き続ける。終盤になっていくらか急な登りも何カ所かであったが、とりわけ一番最後になって急な階段が現れた。およそ200段だそうだ。さすがに少し息切れしたが、ついに山頂に到着。
高尾山にはもう何度も登っているが、今回も大変な人出。コロナ禍による自粛生活から解放されて、とりあえず山へ、という人たちがどっと押し寄せた感じだ。もちろん、僕もそのうちの一人なわけだ。
そして、今日は富士山もきれいに見えている。
ズームアップ。
丹沢山地。
とにかく、人が多いので、正午前には下りにかかる。帰りは1号路。
薬王院の境内まで下ってきた。
不動堂。17世紀後半ごろの建築と推定されるという。都指定有形文化財。
きらびやかな彫刻で装飾された権現堂。18世紀の建築で、これも都の有形文化財。飯縄権現を祀り、社殿前に鳥居。神仏習合時代の名残。
本堂。明治34年の建築。
薬王院は正式には高尾山薬王院有喜寺といい、真言宗智山派の寺院。寺伝によれば744年に聖武天皇の勅命により行基が創建したのが始まりという。当時の本尊は薬師如来。南北朝期の永和年間(1375-79)に京都・醍醐寺の俊源大徳が中興開山となり、飯縄権現を守護神として奉安し、以後、修験道の霊場として発展する。
古くから霊山として信仰の場であったことが、豊かな自然が残される結果となったのだろう。
帰りもケーブルカーなどには乗らず、1号路をどんどん下る。
途中の展望地からの眺め。飛行機が飛んでいる。
最初は羽田から飛び立ったのか、と思ったが、一向に高度が上がらない。
むしろ、高度が下がっていく。彼方に筑波山。
西武ドームが見える。どうやら横田基地に着陸する米軍機のようだった。
アサギマダラ。高尾山でよく見られる蝶。
近くでガビチョウ2羽も間近に目撃。
山麓まで下って、もう少し歩きたい気分だったので、高尾山口駅から高尾駅まで歩く。およそ1.5キロ。
トリックアート美術館の外壁に描かれた絵。
これはトリックアートとは無関係。道端にいたおじさん。
高尾駅に到着。
ここから京王線で帰る。