新緑の多摩丘陵を歩く

 2月に多摩丘陵を歩いた時に「きっと新緑の季節はきれいだろうなぁ。その頃にまた来よう」と思った。ということで、また行ってきた。

 今回は小田急はるひ野駅川崎市麻生区)をスタートして、多摩市が整備した遊歩道「多摩よこやまの道」を歩く。多摩市と川崎市、町田市との境界の尾根筋を行くおよそ10キロの散歩道が「よこやまの道」である。

 「よこやま」とは昔、武蔵国府から多摩川の対岸に長々と連なる多摩丘陵をそう呼んだのである。
  クヌギやコナラ、サクラなどの木々が若葉を茂らせる道。ガビチョウやウグイスが盛んにさえずっている。

 はるひ野駅を出て、よこやまの道の直下をトンネルで抜ける小田急線。

 向こうに京王線も見える。

 よこやまの道の北側は多摩ニュータウンの風景。南側は辛うじて開発を免れた里山の風景が残り、その境目を行く。

 南側の黒川よこみね緑地に寄り道。谷戸に豊かな水が湧き出し、緑がピカピカに光っている。

 カエルの声が賑やかで、たくさんのトンボが飛び交っている。ハチやチョウも多い。池にはおたまじゃくしやメダカ。

 このチョウは何だろう?

 ムラサキシジミかな?

 よこやまの道に戻り、さらに進むと、登った先に諏訪ヶ岳。川崎市の最高峰らしい。

 この四等三角点は多摩市側にあり、144.5メートルと書いてある。

 瓜生黒川往還との交差点。左へ行くのが黒川方面。恐らく近世の道で、この地方の特産の黒川炭や禅寺丸柿を八王子方面や江戸方面へ運ぶのに利用されたらしい。

 よこやまの道は新しい遊歩道だが、古代~近世の古道が各所で交差したり並行したりしている。

 モミジは若葉も真っ赤。

 防人見返りの峠。古代、防人としてはるばる九州へ送られる人々が多摩丘陵(よこやま)を越える前、最後に武蔵野の風景を振り返った?

 ここは多摩よこやまの道の中でも最高の眺望が開ける場所。丹沢から奥多摩秩父の山並みが見渡せる。今日は富士山は見えなかったが、上州の赤城山がうっすらと見えた。

 木のてっぺんでホオジロがさえずっていた。

 高尾山。何度も登っているのに、最近までどんな姿の山なのか知らなかった。今日も混雑しているのだろう。

 左手の尾根筋に謎の古道跡が幾筋か並列して、ひっそりと眠っている。古代の東海道なのか、中世の鎌倉街道なのか、現時点では不明だそうだ。

 川崎市最西端。この先、道の左側は町田市となる。右側はずっと多摩市。

 左側が国士舘大学のグラウンドとなり、それが終わった地点が古道の五差路。

 多摩よこやまの道はここで右折して一般道に入るが、僕はよこやまの道をいったん離れ、古道を小野路町の別所方面へ向かう。

 すぐに右下に東光寺が見えてくる。前にも訪れた巨大な観音像が立つお寺である。

 東光寺の境内を抜けて別所から布田道に入り、とりあえず小野路宿方面へ行こう。

 

 つづく