第58回有馬記念

 日本競馬界の一年の締めくくり、暮れのグランプリ、第58回有馬記念中山競馬場・芝2500メートルで12万人を超える観衆を集めて行われた。
 今年は牡馬16頭が出走したが、なんといっても一昨年の三冠馬で現役最強のオルフェーヴル(5歳)のラストラン。そして、オルフェと同じステイゴールドの息子で昨年の優勝馬ゴールドシップ(4歳)との最初で最後の対決に注目が集まった。
 個人的にはやはりオルフェに勝ってほしいという思いが強かったが、騎手を内田からムーアに替え、集中力を高めるために視野を狭めるブリンカーを装着して出てきたゴールドシップはやはり怖いなぁ、と思う。いずれにしても、このどちらかに勝ってほしいと思いながら観戦。
 レースはルルーシュが逃げ、後続馬群の後ろにゴールドシップがつけ、それを見ながらオルフェーヴルが後方を進むという展開。
 2度目の3コーナー付近で後方からオルフェが仕掛けると、一気に加速、あっという間にゴールドシップら前の馬を外から交わして4コーナーではもう先頭、最後の直線でも後続をぐんぐん引き離し、なんと8馬身差のぶっちぎりで圧勝。有終の美を飾る。あまりにかっこよすぎるラストランに素直に感動した。
 オルフェーヴル有馬記念、2年ぶり2勝目。池添騎手はオルフェの兄、ドリームジャーニーでの2009年も含め有馬3勝目。
 2年前のダービー、菊花賞でオルフェの2着だったウインバリアシオンがまた2着にきて、ゴールドシップは3着。


2013 有馬記念


 1着 オルフェーヴル(池添)  2着 ウインバリアシオン  3着 ゴールドシップ
 4着 ラブイズブーシェ  5着 タマモベストプレイ

 レースで勝利直後に騎手を振り落としたり、あわやコースアウトしそうになったりと、ただ強いだけではないヤンチャな馬で、それが魅力でもあったオルフェーヴルだが、最後の最後で競走馬として完成された強さを見せつけてくれた。しかも、唖然とするほどの強さ! これで通算21戦12勝、GIは6勝。まだまだ引退というのは惜しい気もするし、来年凱旋門賞に出たら今度こそ勝ちそうな気もするけれど、サラブレッドとして次の仕事が待っているしね。
 数年後には彼の子どもたちが続々とデビューしてくるはず。オルフェ2世の活躍を楽しみにしたいし、子どもたちによる凱旋門賞制覇も期待したい。というか、世界的名馬となったオルフェーヴルの血が世界に広まっていってほしいと思う。
 とりあえず、お疲れさまでした、ということかな。