第68回阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)&香港国際競走

 2歳牝馬が迎える初めてのG1レース、阪神ジュベナイルフィリーズ阪神競馬場・芝1600メートルで行われ、18頭が参戦。
 有力馬は何頭もいたが、なかでも注目は欧州でG1レース10勝を含む14戦無敗の成績を残した英国馬フランケルの娘で、母も欧米のG1を6勝したスタセリタという両親合わせて16冠の超良血馬ソウルスターリング。自身の成績もここまで2戦2勝で、断然の1番人気に推された。
 レースはアリンナが引っ張り、ソウルスターリングは好位のインを楽に追走。最後の直線で抜け出し、先頭に立つと、後続を引き離し、最後、外からリスグラシューが追い込んできたものの、11/4馬身差をつけて快勝。デビューから3連勝で2歳女王の座をつかむ。父娘2代にわたっての無敗記録はどこまで続くだろうか。
 フランスでスタセリタに乗って仏オークスを勝っているルメール騎手はその娘でもG1制覇。このレースは昨年のメジャーエンブレムに続き連覇。
 それにしても、怪物フランケルは日本にもその「血」を送り込んで、初年度産駒が最初のG1をあっさり勝ってしまうのだから、すごい。ディープインパクトの子どもたちが席巻する日本の競馬界に新たな流れを作ることになりそうだ。いずれディープとフランケル両方の血を引く馬も登場するのだろうし、その前に来年はオルフェーヴルの子どもたちもデビューする。

 1着 ソウルスターリングルメール)  2着 リスグラシュー  3着 レーヌミノル
 4着 ディーパワンサ  5着 ヴゼットジョリー

来週の朝日杯にも牡馬にまじってフランケルの娘が出走予定。

 さて、この日は香港のシャティン競馬場で4つの国際G1レースが行われ、日本からも大挙遠征。4レース中2レースで日本馬が勝利をあげた。
 まずは芝2400メートルの香港ヴァーズ。大本命のアイルランドハイランドリール(R.ムーア)が先手を奪い、そのまま最後の直線でも後続を引き離していくなか、馬群からただ1頭抜け出してきた日本のサトノクラウン(J.モレイラ)が徐々に追い上げ、ゴール寸前で差し切る見事な勝利。
 また、芝2000メートルの香港カップには日本と香港で過去G1を5勝しているモーリスや、昨年のこのレースの覇者エイシンヒカリなど日本馬5頭が参戦。予想通りエイシンヒカリ武豊)が逃げ、3〜4コーナーで後続を引き離す展開だったが、最後の直線で失速。後方にいたモーリス(ムーア)があっというまに馬群を抜けて、エイシンヒカリをとらえ、圧倒的な強さを見せつけてラストランを勝利で飾る。モーリスはマイルG1を4連勝のあと、天皇賞(秋)香港カップと2000メートル戦を連勝で6冠目。ここでの引退は惜しい気もする。