第70回安田記念

 無観客開催が続く東京競馬場での5週連続G1のラストを飾るのは春のマイル王決定戦、安田記念(芝1600m)。出走14頭のうち10頭がG1馬という超豪華メンバーが集結したが、その中でも現役最強の5歳牝馬アーモンドアイがG1で歴代最多となる8勝目を挙げられるかが最大の注目だった。圧勝した前走のヴィクトリアマイルから中2週での参戦、そして、前夜の豪雨の影響でやや重となった馬場など不安材料がなかったわけではないが、それでも圧倒的な1番人気となった。2番人気は昨年の安田記念を勝ったインディチャンプ、3番人気はアーモンドアイより1歳下の桜花賞馬グランアレグリア

 レースはダノンスマッシュが先頭に立ち、ダノンプレミアムやアドマイヤマーズなどの有力馬も先頭集団につけ、緩い馬場のわりには速い流れとなる。各馬ともアーモンドアイより後ろで競馬をしては勝ち目がないとみて、早めに先頭に立って押し切るレースを思い描いたか。飛ばす先団の後ろをグランアレグリアやインディチャンプが追走し、アーモンドアイはスタートでやや立ち遅れて、そのさらに後ろを進み、追い込みに賭ける。

 そして、最後の直線、先行勢が軒並み失速し、かわって中団でレースを進めていたグランアレグリアが早めに抜け出し、後続との差を広げる。インディチャンプもあとを追い、アーモンドアイも外から追い込んでくるが、いつもの伸びがなく、先頭には届きそうにない。最後にインディチャンプを抜いて2着に入るのが精一杯で、その2馬身半も前でゴールしたグランアレグリアの快勝だった。

 


2020 安田記念

 アーモンドアイは昨年もスタートで大きな不利を受け、3着に終わっていたが、今年も安田記念を勝つことはできなかった。去年は絶望的な位置から追い込んでの3着で、一番強い競馬をしたと言えたが、今年はアーモンドアイとは初対決となったグランアレグリアがとにかく強かったとしか言い様がない。アーモンドアイの8つ目のG1タイトルはお預けとなったが、8冠目というのは難しいね。

 勝ったグランアレグリアディープインパクト産駒の4歳牝馬。これで通算8戦5勝。G1は昨年の桜花賞に続く2勝目。このハイレベルなメンバーの中での勝利は価値が高い。

 

1着グランアレグリア(池添) 2着アーモンドアイ 3着インディチャンプ

4着ノームコア 5着ケイアイノーテック