房総半島横断の旅(その4)

 6月18日に千葉県の房総半島へ出かけた話の続き。今回で終わります。終わらせます。

 小湊鉄道高滝駅から上総鶴舞駅まで歩いて、SL風機関車が後押しするトロッコ列車の通過(実際は安全確認のため一旦停止)を見送り、まだ次の列車には時間があるので、さらに歩くことにする。

 今回は外房の大原から内房の五井までいすみ鉄道小湊鉄道に通しで乗れる「房総横断乗車券」を手に旅しているのだが、すでに国吉~上総中川(3.2㎞)、上総中野~養老渓谷(4.2㎞)、高滝~上総鶴舞(3.8㎞)を歩いていて、これなら普通に切符を買った方が安くなるのではないか、という気がしないでもない。実際には路線距離よりもだいぶ長く歩いているので、疲れてもう歩けないというのであれば、待ち時間が長くても次の列車を待つが、今のところ疲れはまったくない。

 ということで、上総鶴舞駅をあとに国道297号線を行く。実際、列車に乗るよりは歩く方が断然面白い。恐らく、他の人にはあまり理解されにくい面白さではあるけれど。

 次の上総川間までは1.5キロ。その次の上総牛久まではさらに2.1キロ。合計3.6キロだが、この区間は道路の方がいくらか距離が短いはずだ。いずれにしても、トータルで15キロ以上は歩くことになるが、このぐらいはまあ大したことはない。

 ふとした拍子に右の靴の中に小石が入った。靴を脱ぐのが面倒なので、そのまま歩き続ける。ということで、その小石は現在、うちの玄関内に転がっている。

 田んぼの中の孤島のような上総川間駅を左に見て、低い丘を越えると、まもなく牛久の町だ。国道から離れて、牛久市街に入り、上総牛久駅前には16時25分頃着いた。

 次の五井行きは17時12分発である。

 先ほど高滝駅で見送った列車が上総中野行きとなって折り返してきた。

 こんなイベントがあるようだ。ちょっと興味があるな。全6区間で51.46キロなら2日で歩ける。あちこち寄り道しながらだと、2区間ずつ3回で、ということになりそうだ。

 17時12分発の五井行きは上総鶴舞まで歩く途中で見た列車の折り返し。

 車内はそれなりの乗車率で、ロングシートだし、車窓を楽しむ雰囲気でもない。景色は大体わかっている。 
 ここで運賃を計算してみた。大原から五井まで普通に切符を買って乗り通すと、いすみ鉄道が730円、小湊鉄道が1,440円で、計2,170円。房総横断乗車券は途中下車自由、逆戻り不可で2,000円である。僕が実際に列車に乗ったのは大原~国吉330円、上総中川~上総中野480円、養老渓谷~高滝500円、上総牛久~五井710円、合計2,020円。実際に普通運賃を払うより20円安かった! 大多喜でいったん改札を出たので、切符を買い直すとすれば、中川~大多喜が260円、大多喜~中野が410円で、合計2,210円になり、210円の得ということになる。

 

 17時39分、五井に到着。

 キハ200ばかりだった小湊鉄道にキハ40が加わって、五井機関区の風景も変わった。

 その一方で役目を終えた車両も出ている模様。

 キハ202は去年の夏は上総牛久の側線に留置されていたが、五井に戻っていた。

 塗装が剥げて、ボロボロだ。

 そして、長らく休車状態で、車庫に放置されていたキハ209。すっかり色あせている。

 「廃車」の貼り紙が・・・。

 泣き顔に見える。

 ずっと留置されていた車庫から引き出されたということは、これでお別れということか。

 とにかく、今回の房総半島横断旅はこれでおしまい。内房線総武線を乗り継いで帰る。

 千葉から横須賀線直通の快速に乗り、錦糸町で新宿方面の各駅停車に乗り換えるはずが、ウトウトしているうちに新橋まで行ってしまった。目が覚めたら、横浜とか横須賀とかじゃなくてよかった。